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医療業界という名の有望投資先:病院再生ビジネスの実態 我が読者の中には、企業再生ファンドという言葉を耳にしたことがある方が多数おありであろう。今回からご紹介する病院再生ファンドとは、病院をターゲットにした企業再生ファンドのことであるが、このビジネスを正しく理解するために、改めて企業再生ファンドについて解説しておこう。 まず、アメリカにおいては古くからプライベートエクイティと呼ばれる未公開企業株式に対する直接金融制度が存在している。プライベートエクイティとは、投資家から集めた金融資産をファンド化して未公開企業の株式に投資するものであるが、この運用先に破綻企業または破綻懸念企業を含むケースが1980年代末頃より顕著になってきた。1990年代初頭にはプライベートエクイティの矛先が健全企業を含む企業一般に積極的に向けられるようになり、当時のM&Aブームを引き起こす結果になった。M&Aにおいては、買収効果を増加させる理由から財務的に劣化または悪化した企業をターゲットにするケースが多く、それゆえ、プライベートエクイティの投資先として多くの財務体質悪化企業が含まれるようになった。プライベートエクイティは1990年代を通じて成長を続け、企業買収に特化したものをバイアウトファンドまたは企業再生ファンド、不動産に特化したものを不動産投資ファンド、ベンチャー企業投資に特化したものをベンチャーファンドなどと呼ぶようになった。このように、企業再生ファンドとは財務的に劣化した企業をターゲットとするプライベートエクイティのことである。 1990年半ばに入ると企業再生ファンドは破綻を前提とした企業買収を盛んに行うようになり、米国連邦破産法第十一条通称チャプターイレブンを活用した、いわゆるプレパッケージ型企業再生を一般化させた。なお、企業買収を行い、業績を改善させて収益を獲得するという意味においてはプライベートエクイティの目指す目標は同一である。それゆえ、プライベートエクイティのカテゴリや専門性に注目する必要はあまりないと思われる。一方、我が国においては、企業または産業再生を目指す目的からファンドが組成され、運用されるのが本流のひとつであるが、アメリカとは実状を大分異にしている。これは、企業再生の姿勢や考え方についての、日米の基本的相違の源であると思われる。 一方、我が国では、平成15年4月、不良債権処理を経済再生目的に行う観点から株式会社産業再生機構が誕生した。産業再生機構の母体は獨協大学の高木教授を中心に設立された産業再生委員会で、高木氏は早くから我が国における企業再生の第一人者として脚光を浴びていた。高木氏は、我が国の倒産法の権威でもあり、倒産法の実際的運用の見地から早期事業再生研究会を発足、企業再生を法的側面から促進するべく活動を展開してきた。 我が国の不良債権問題は解決の糸口が見出せぬまま時を重ね、包括的不良債権処理の目的から平成11年に整理回収機構が設立された。整理回収機構は金融機関の不良債権処理を専門的に行う国策のサービサー会社(債権回収業者)である。しかし、整理回収機構が破綻処理を行うとしても、実際的には処理が難しいケースも時の経過とともに増加した。そのため、産業再生機構は整理回収機構が対応しきれないケースを整理回収機構に代わって代行する側面を少なからず有している。
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